早坂 至温

Title:I wear a monster
Material:PLA FRP(3Dプリンタ)、シリコン、塗料
Size:H900 × W350 × D430 mm

この作品は、3Dプリンタによる人工的で幾何学的な外殻、実物の牛角、透明な自らの顔という異質な素材の結合によって、人間と異形の境界を越えた「怪獣=MONSTER」として立ち現れます。災害や野宿などの極限体験をもとに生まれたスーツは、未来社会における「生存のための異常進化」を象徴し、人工素材の装甲化と人間の顔の透明化が、社会の不安や人間性の喪失を示す。つまり、この造形は現代の問題を跳躍した未来における「生活用の怪獣」として機能するのです。

早坂 至温

Artist:早坂 至温 Shion Hayasaka

私は幼少期から昭和の特撮文化に魅力を感じている。
怪獣映画や特撮作品が持つ、原爆や公害など社会問題を背景としたメッセージ性や象徴的表現、そしてそれらがエンターテイメントとして多くの人々に影響を与えてきた点に惹かれる。また、私はネオポップやシミュレーショニズムといったアート運動に深く関心を抱き、現代社会における美術の意義を考える機会を得た。これらの運動は、表現の簡素さや普遍性を追求しつつ社会的メッセージを伝える重要な手段であり、その影響力に惹かれている。
私が惹かれた特撮とアート運動を現代社会における問題に重ね合わせ、作品を通じてポップに問い直したいと考えている。特撮の技術やテーマを彫刻作品に取り入れることで、現代社会に対する批評や問いかけを行い、芸術表現を深化させることが目標だ。

Instagram:https://www.instagram.com/shion_hayasaka