最近のコメント

表示できるコメントはありません。

中田 千彦

After the Storm

Title:After the Storm
Material:チップボード、ラッカースプレー
Size:H1090 × W300 × D400 mm

人智の及ぶことのない何処かの文明が建立した建築的構造物に突如遭遇した時、人はその姿に感服し、畏怖し、憧憬を覚えるのではないだろうか。いつぞやの嵐が過ぎ去った後、唐突に目前に現れた構造物は、その機能も、意味も、意義も解明し難く、ただ呆然とその異様な風体に言葉を失い、他方その存在に何かしらの関わりを持ちたいと人という存在はふと思ってしまうのではないだろうか。Monstrous(怪物的な)建築構造物を建築模型で造形することを通じて、人が希求する特殊な心象を目に見える形で表現したいという思いから生み出された造形作品である。

中田 千彦

Artist:中田 千彦 Senhiko Nakata

1965 東京生まれ
1990 東京藝術大学美術学部建築科卒業
1993 コロンビア大学建築・都市・保存大学院修了
1994~1997 東京藝術大学美術学部建築科常勤助手
1997~2000 京都造形芸術大学通信教育部専任講師、コロンビア大学建築・都市・歴史保存大学院研究員
2000~2003 京都造形芸術大学環境デザイン学科助教授
2003~2006 「新建築」「a+u」副編集長
2006~2016 宮城大学事業構想学部デザイン情報学科准教授
2016~2018      宮城大学事業構想学部デザイン情報学科教授
2018〜2020   宮城大学事業構想学群価値創造デザイン学類教授 学類長
2020〜   宮城大学事業構想学群長・事業構想学研究科長

2008 「かいの家」住宅(連合設計社市谷建築事務所)
2009 日本建築学会教育賞 教育貢献 阿部仁史らと共同受賞
2011 東日本大震災における建築家による復興支援ネットワーク「Arch+Aid」の設立発起人
2012 『311ゼロ地点から考える』(TOTO出版)
2012 『浜からはじめる復興計画-牡鹿・雄勝・長清水での試み-』(共著、彰国社

「鬼」は「奇」であり「貴」であるという言い伝えを建築的な表現で造形化することに取り組んでいる。
自然災害、戦争、感染症、天変地異、そしてこれらに連動する社会経済の疲弊がわたしたちを襲うことそのものが「Monster」であるという声は聞こえるが、ここに存する「鬼」や「奇」は「貴」の写身として現前しているとするなら、その「姿」を通して私たちの近況を見届けていくしかない。