伝説の妖怪や妖精、精霊等について、北海道からは必ずと言う位“コロボックル”の名が挙がります。
ところが、コロボックルについての資料は驚く程少なく、「ユカラ」や「カムイ・ユカラ」等のアイヌの口承文芸にも出て来る話が殆どありません。
逆に伝承が多く残されているのが、怪鳥フリューです。
これは海で鯨をかっさらう大怪鳥で、地域や伝承者によっては、発音や呼び名が異なりますが、「鯨をかっさらう大怪鳥」という伝説は共通しています。
「アラビアン・ナイト」の、象をかっさらうロック鳥の方が知名度は高いのですが、かっさらう獲物の大きさを考えると、フリューの方が巨大という事になります。
その巨大で強力なフリューが、霊力のあるキツネに惑わされて獲物を横取りされたり、より巨大なエビやエイに懲らしめられたり、意外性のある話が多いのです。
アイヌの口承文芸は怪獣の宝庫で、「ウポポイ」以外のアイヌ文化の一面を知って貰えたら幸いです。
Title:怪鳥フリュー
Material:アクリルガッシュ ポスターカラー
Artist:オキクルミ