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Bruno Dumont

パリの郊外で⾃然と共⽣し、⾃由に暮らすアーティスト、ブルーノ・デュモン。彼は、1999年にガスパール・ドラノエやカレックスとともに、パリのリヴォリ通り59番地にある8年間放置されていた巨⼤なオスマン様式の建物を不法占拠して住み、そこにスタジオを構え、訪問者に開放しました。現在では、毎年何万⼈にも訪れるアートスポットへと⽣まれ変わり、この「59リヴォリ」はパリ市⺠からも絶⼤な⽀持を得ています。

「循環」とは、あるものが終わりを迎えた後に、新しいものが⽣まれるプロセスを指します。
「59 リヴォリ」は、8 年間放置されていた巨⼤なオスマン様式の建物から、まさに新しい価値を持った別のものへと⽣まれ変わりました。現在のブルーノ・デュモンが最も興味を持っている循環は、ライフスタイルです。彼の⽣活様式は、極限までにミニマムですが、私たちが⼈⽣を楽しむためのツールを排除しているわけではありません。⾃⾝で制作した可動式の家には、キッチンやトイレ、ベッド、素晴らしいカウチソファもあり、そこに我慢は存在しません。そして、トイレの排泄物は畑への肥料となり、やがて野菜という⾷料へと⽣まれ変わります。
今回のMONSTER Exhibitionでは、ブルーノ・デュモンのドキュメンタリーを紹介します。
パリというパワーワードにより、私たちは憧れを抱くのではないでしょうか。しかし、もしもこれが⽇本⼈だった場合、奇異な⽬を向ける⼈もいるかもしれません。まさに、このことが私たちに潜む怪獣なのです。

⾃然との共⽣を実現し、⾃らの⼿で⽣活を切り拓いていく彼の⽣き⽅は、⾃らの⾝体を使ってアートを⽣み出すかのように、私たちが⽣活する社会の循環について考えさせる作品でもあります。
コロナ禍以降のここ数年、私たちは⽣き⽅に対し、何かしら価値観が変わりつつあります。
ブルーノ・デュモンの作品とドキュメンタリーに触れることにより、楽しく⽣きるヒントになれば幸いです。

What is inside a human heart?

ブルノーデュモン

Bruno Dumont(ブルノー・デュモン)

1965年、フランス郊外モントルイユ生まれ。
1981年から画家ジャンゲラン氏に師事し絵画を始める。1999年、アーティストのカレックス、ガスパールドラノエと共にパリ1区の7階建アパルトマンを共同アトリエとして不法占拠、のちに合法化し現在の59Rivoliとなる。
2004年より小屋主義者となり、フランス、日本等で廃材等を使った小屋制作を始める。

Coordinator:川波 朋子
京都市芸術大学美術学部卒業後、マーケティング、広告領域のキャリアを経て2016年渡仏。2020年よりLFCコンポストのフランスでの普及活動をスタート。現在Local Food Cycling France 代表。

Director:庄司 みゆ希
Evolve Art & Design Japan代表理事 武蔵野美術大学 芸術文化学科卒、学芸員取得。震災を契機にアートプロジェクトを立ち上げ、企画運営とオーガナイザーとして、渋谷、NY、バルセロナ、ベルリン、パリで展示会を10年開催している。2017年、クリエイターやアーティスト集団の一般社団法人Evolve Art & Design Japanを設立、代表理事を務める。最近では、若手アーティストの育成と発掘を目的としたEvolve membershipにも力を入れる。