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Reo Kiribuchi

葉孔 -YOUKOU-

Title:葉孔 -YOUKOU-
Material:レジン、アクリル
Size:H750 × W600 × D600 mm

Monster「怪獣」とは、我々の想定を越えた事象そのものを指す。いわゆる「怪獣」という異形の生物としての定義だけでなく、天災や人間離れした能力をもつ「ヒト」にさえもMonster「怪獣」という言葉は使われる。

では、何故人は怪獣を恐れるのか。それは、ヒト自身の消滅を想起させる「捕食への恐怖」があるからだ。正体不明の生物は生態が分からない為、我々ヒトを餌として認識している可能性があるという恐怖。故に怪獣というのは、ヒトよりもスケールが大きく表現されることが多い。

しかしここで大切なのは、それを脅威とみなして迫害するのではなく、Monsterと共に共存し相乗効果を成すことだ。そこで、1つの建築に降り注ぐ物理的な虫食い孔(捕食痕)をMonsterと定義し、建築及びヒトの住まいへの影響と変化をプロセスで表現する。建築の屋根に見立てた植物の葉と捕食者(アオムシ,ハムシ)を投入し、数日間に渡り捕食させる。葉の表面に発生した捕食痕を3Dスキャナーで正確に読み取り、虫食い孔を主軸とした建築計画を行う。

一見甚大な被害にも思える大小ランダムな虫食い孔(葉孔 YOUKOU)は、空間構成や部屋同士の余白、離隔距離を曖昧に定義し、大屋根で囲われた空間とは逆説的な陽光(YOUKOU)を生む。我々が一方的に毛嫌いしがちなMonsterは、果たして本当に諸悪の根源なのだろうか。

Reo Kiribuchi

Artist:Reo Kiribuchi

我々を含む地球上全生物のカタチの起源となる【進化発生生物学】を、あらゆる分野でアウトプットした作品を主とする。それは、建築,アート,装飾品と各々スケールは異なるが、カタチの発生を促す一貫性のあるストーリー、建築から着想される構造的合理性、生物学から引用された有機的要素、数多の根拠が混ざりながら発生したそのカタチは、完成物はもとより発生に至るプロセスまでも含めて、全く新しいデザイン手法である。

Web:http://reo-kiribuchi.heavy.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/r.i.d_reos_imply_design/