濁龍と若者
キャンバス、アクリル
作品のコンセプトは「受容と共生」。
日本古来から龍は厄災と恵みの象徴として畏れられてきた。
現代の私たちにとっての竜とは昨今のコロナ禍である。
短期間の間に、未知の恐怖によって、人の欲や不安を掻き乱され、憶測や断片的な情報に惑わされた。反面、私たちは新たなコミュニケーション方法や、刷新した価値観を急速に作り上げ、適応しようとしている。
噛みつき、絡みつく龍を、凛とした出で立ちで手懐けようとする右の若者は私たち自身である。不安を抱きながらも竜との共生を選んだ彼を描くことが、現代の反映とあわよくば誰それの支えになれればと願う。
山中 智郎 Yamanaka Tomoro
日本人の価値観のフィルターを通して、自己の欲やコンプレックスに正直に向き合い、醜い部分にも美しさを見出すような作品を作る。伝統的な日本の絵画のタッチや現代の娯楽芸術の表現手法をミックスし、恐ろしい怪獣や、力強い神様、美しくも憂いのある美人画など伝えたいメッセージによってモチーフを使い分ける。
1997年生(宮崎県)
普通高校卒業後、短期大学にてデザインを学びながら、イラストレーションの提供や、ライブペイントを行う。
2020年から作家、イラストレーターとしての活動を開始。