2つの世界~COVID-19が浮き彫りにしたもの~
竹、和紙、土、ボンド、紐、針金、糸、綿、墨、絵の具、アルミホイル、釘
国内でコロナウィルスによる混乱が始まって半年が過ぎた。(2020、8月現在)日常生活の変化に心奪われる日々である。しかし、COVID-19というウイルスが浮き彫りにしたものは、この世に2つの全く異なる価値観を持った世界がぴったりと背中合わせにくっついて存在している、という事実ではなかろうか?今、この時だからこそ、この矛盾に満ちた2つの世界を形として残しておきたいという衝動が私の中に起こった。
2つの世界とは?
ひとつは、人間の営み、日々の生活、家族や友人との時間、私たちの毎日のことである。
そして、もうひとつの世界とは、数字によって現代社会を動かしている金融というものである。
本来、人が幸せに過ごすための豊かなものを求めて、努力をし、長年にわたり知恵を絞ってきたはずなのだが、(だからと言ってすべてを肯定的にはとらえられないけれど)・・・
人間の営みを無視して、本来の形を変化させて数字だけが独り歩きしている世界がくっきりと見えて来たのだ。
それも、意思をもっているはずもないウイルスという原始的な存在が、この現代社会の最も欠点といえる分離した状態を見せつけてくれている。
この2つの世界の外側に、いかに大きなとらえようもない、世界が存在することの証明でもあると思っている。
よしもりむつこ Mutsuko Yoshimori
1963年 大分県臼杵市生まれ
2002年 湯布院町塚原に工房を建設
2010年ころから陶土のオブジェ作品を制作、
展示発表はじめる
2015年 ベップアートマンス参加はじめる
2017年 モンスターエキシビジョン初参加(2018,2019)
(2017ニューヨーク展参加)
2018年 焼かない土の作品に熱中する
2019年 夫(悦治)亡くなる 新しい工房建設完成
銀座アートポイント”心象”参加
2020年 台北contemporary Art fair参加
Facebook(吉森睦子)、Instagram