イワブチマサキ

禍除画

銀箔、杉板

長い歴史の中で地震や台風などの災害、天然痘やはしかのような疫病。今回コロナウイルスの影響で世界が一変し、疫病の脅威を改めて実感。その疫病に対し、江戸時代より禍い退散祈願として、その姿を拡散させることでご利益があると言われる妖怪「アマビエ」や半人半牛の姿をした「件(くだん)」、疫鬼を懲らしめ退散させる善神を描いた神虫などの「辟邪絵(へきじゃえ)」。疫病退散の守護神でもある不動明王。
病を撒き散らす悪魔や鬼を退治してくれる存在は、その悪魔や鬼よりも不気味な怖い姿で描かれている。まるで妖怪や怪獣のような。
そのように恐ろしい姿で描かれているのは、人々を不安にさせる病気や災いを何としても食い止めて欲しい、という当時の人々の思いが込められたものだったからなのかもしれない。
今回は私なりの疫病退散画を制作。
禍(わざわい)を祓うために渦で表現。
渦巻きは古来より魔を圧する「神の目」として、「力の象徴」「魔除け」として言い伝えられている文様(諸説あり)。
銀箔を硫黄で黒変させて表現。変色防止剤などは使用していないので変色は進み、いずれ真っ黒になり朽ちる。それとともに今の禍も朽ちて無くなっていることを祈願して。

イワブチマサキ

イワブチマサキ Masaki Iwabuchi

壁画のような原始的で呪術的なイメージが強い作品を創っていきたい。

2016年 MONSTER Exhibition2016入選 渋谷ヒカリエ/ hpgrp GALLERYニューヨーク展示
2016年 TDWウルトラマン・インスパイア展 入選 展示
2017年 第6回よみうり美術展 展示 
2018年 KOREKARA JAPON IN BARCELONA 展示
2019年 ART OLYMPIA 2019 準佳作
2019年 MONSTER Exhibition2019入賞 渋谷ヒカリエ/Gallery Grand E’terna Paris 展示