山科 晃一

預言獣

預言獣

映像

怪獣は到来する。ならば、その前の世界が存在するはず。私は身体を用いて彼らとの対話を試みる。
精神障害を持ったダンサー・ちひろとのコラボ作品。取材の中で彼女には「優しい」幻聴が聴こえると明かしてくれた。『大丈夫だからねなさい』『よく頑張ったな』『ちー、俺はなんて言う?』『なあ、ちー』『うーん』
たとえば、こんな物語はどうだろうか。1歩街を歩けば建物を壊してしまい、呼吸すれば屋根を吹き飛ばしてしまう、けれど本当は仲良くしたいだけの怪獣がいる。ならば、私は彼らの元へ訪れ返してみよう。興味本位でも、哀れみでもなく、ただ凛としたこころで。
モンタージュによって構築されるフィクションは彼女の身体言語と透き通った肉体運動によって導き出されていった。

山科 晃一

山科 晃一 Koichi Yamashina

1991年兵庫県神戸市生まれ。テレビ局勤務後、2019年東京藝術大学大学院映像研究科修了。映像制作会社、広告制作会社を経て現在フリーランスとして主に映像/広告のディレクション及びシナリオを担当。小説家、脚本家、映画監督としても活動中。

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