太田 和美

祟り神

スクイーズ、樹脂、アクリル、LEDライト、造花、鏡

摩訶不思議な物体を身にまとうのは、祟り神。
日本には信仰の度合いによって、態度を豹変させる神がいる。
その神は、大切にすれば愛を与え守護神となり、
粗略にすれば厄を振りまく祟り神となる。

この世で最も美しく恐ろしいものは、人間。
たった一人の存在になれず、愛し方を間違えてしまったことで
憎悪にのまれた女性が、愛した人を祟る神へと変態した。

HOYAPAIは女性性の究極体。
愛と憎悪に溺れ、豊穣と女性を象徴する乳房に覆われる。

絡め合う  ふた関節も大きな手
        帰路の車中に  藤の香佩びる

狂気に支配された祟り神 哀しみを漂わす藤の香は 水鏡の未来

太田 和美

太田 和美 Kazumi Ohta

1988年宮城県仙台市生まれ、石巻市在住
2010年東京造形大学 造形学部デザイン学科 室内建築専攻 卒業
2018年 SICF19(PLAY部門)栗栖良依賞受賞
2018年 Salon des Beau Arts(パフォーマンス部門)金賞受賞

インスタレーションを中心に展示・パフォーマンスを行う、美術家・パフォーマー。大学在学中より、女性の持つ深い愛と脆さ、弱さを表現したいと考え、女性性と豊穣の象徴である「乳房」をイメージした作品を展開する。
東日本大震災以降に、東北の海の幸「ホヤ」との出会いがあり、その形や、赤く艶やかな色、生命力に衝撃を受けたことで、造形作品「HOYAPAI」が生まれた。

現在は、HOYAPAIを用いたパフォーマンスを主に活動しており、石巻の民宿ではHOYAPAI女将として地域活性化に携わる。また、地元漁師や復興庁が開催するホヤ販促イベントに造形作品を提供し、パフォーマーとしても参加した。

アートは特別なものとされがちだが、本来は当たり前の日常の中にあったり、大切な人に寄り添うべきものではないかと考え、現代社会と共存するアートの在り方を追求し続けている。

https://kazumi-ota.wixsite.com/artist

祟り神 PV   https://youtu.be/KnVC6UtqQzw