桐淵 玲央

建築の形態形成 evo-devo-architects

Title:建築の形態形成 evo-devo-architects

Material:レジン、アクリルガッシュ

建築の形態形成について、昨今の保守的で固定された形づくりのプロセスを「既存の常識」という檻から解放し、再定義する。

進化発生生物学(Evo-Devo)という分野がある。生物が、いかに複雑な種の多様性を同じ遺伝子単位を用いて織り上げているかという研究である。それは、主に「ホメオティック遺伝子」が影響しており、哺乳類や爬虫類、魚類や昆虫など様々な種の形態形成が、共通の遺伝子配列「ホメオドメイン」によってコントロールされていることが分かった。

つまり単純にいうと、象だけが鼻の長くなる遺伝子を持っている訳ではなく、共通に所持している遺伝子のオンオフ操作によって地球上に存在する870万種の生物のカタチを作っている事になる。

それぞれがオンオフになる起因としては、母性因子(受精前)として受け継がれたものもあれば、受精後に相互作用で発生または消滅するものもある。この生物発生のプロセスを、建築の形態形成操作に置き換える事で、全く新しい「カタチ」が生まれる。

建築は本来、ヴァナキュラー要素を強く持つロジカルなものであり、今日の規格住宅などの計画地の環境や風土を基盤としない建築に、土着性は皆無である。建築は敷地に対してヴォリュームが検討された際に、必ずその土地固有の風土に影響され、適応するために変化する。この変化こそが、Evo-Devoにおける「ホメオティック遺伝子」の部分である。

建築の造形や空間のあり方を意味付ける操作や思想を、生物の発生プロセスと重ねて形成することで、無駄な制限や人間のエゴイズムから解放された、その土地における建築の真の姿を導くことができる。その姿は、結果として出来上がった造形は元より、その形態に至るプロセスまでもが、未だかつて誰も見たことが無い解き放たれた「Kaiju」の如く動態的で恐ろしくも美しい。

Artist:桐淵 玲央 REO KIRIBUCHI

2017 11.25  東京建築士会 住宅課題賞 受賞
2018 01.28  ものつくり大学 卒業設計 最優秀賞
2018 03.16  ものつくり大学 学長表彰 受賞
2018 03.16  日本ものつくり学会 匠奨励賞 受賞
2018 04.15  埼玉卒業設計コンクール 3賞受賞
        1. JIA埼玉 優秀賞
        2. 準埼玉賞
        3. さいたま住宅検査センター賞
2018 06.23  JIA全国学生 卒業設計コンクール 出展
2018 08.10  卒業設計 最優秀賞 地元公民館展示 出展
2019 10.26  PALLET AWARD 2019 優秀賞 受賞
2020 09.10  MONSTER EXHIBITION 2020 入選
2021 10.15  Evolve ArtMarket 出展

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