KARIN

Title:snake girl

Material:キャンパス、アクリル、箔

「snake girl」シリーズは、SNSで普及する「かわいい」の基準に囚われてしまった現代の女の子を、美しいことを妬まれて、髪の毛を蛇に変えられてしまったギリシャ神話の怪物メデューサになぞらえて描きました。

作家自身、外見に対してコンプレックスを抱いたことから、ダイエットや整形、ヘアスタイルやメイク動画など、理想の「かわいい」を追求するための情報を多く目にする中で、SNS上に溢れる世の女性たちの外見に対する悩みの深さを感じてきました。
SNS上で「かわいい」とされる女性の写真がたくさん投稿される中、現代の若者女性は「こんなふうになりたい」とある種の妬みの感情を抱きながら見ています。
自分の容姿と比べて自信を失ってしまう女性たち。
もっとかわいくなりたい、あの子みたいになりたい、という欲望はますます深まり、それに伴ってさらに情報や流行は変化していき、またそれに振り回されていく…。
近年は、コロナによるSNS需要に伴い、その傾向が激化しています。

「妬み」によって呪われてしまったメデューサと、現代の若者女性の「妬み」の対象になるSNS上の女性たち。

外見の美に対して、個性を尊重し、自分なりの美を見出すべきであるという動きがある中、画一的な美のイメージに左右され、それに当てはまらないことを恐れてしまうという、矛盾を感じつつも、多くの人々が画一的な美を求めてしまう心理と、外見至上主義の傾向が強い現代社会に対して考察します。

「snake girl」は実際にSNS上に挙がっている女の子の髪型をモチーフに描いています。
見た者を石に変えてしまうというメデューサの輝く瞳は、スマホカメラのフィルター機能をイメージしたキラキラマークに、ギリシャ神話という古典的なイメージに合わせて古典的な素材である箔を使用しました。
口と鼻がない顔は、コロナ禍で誕生した「マスク美人」という言葉から、マスクを着けたときの印象をイメージ。
背景の色は、近年流行しているパーソナルカラー診断を意識して、そのsnake girlに似合うとされる色を、髪の毛の蛇の色に合わせて選びました。

今現在の「美の流行」を象徴する要素を取り入れ、描いています。

Artist:KARIN

「現代人の生への渇望」をテーマに表現しています。アクリル絵具に透明水彩、墨などのミクストメディアを用いて、平面作品を中心に、粘土での彫刻制作も行っています。

2020年日本文藝アートコンペティション 奨励賞受賞
2022年8月independent tokyo 2022出展

Instagram:https://instagram.com/karin_artworks?igshid=YmMyMTA2M2Y=