郷戸 一行

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archetype -怪-
和紙、洋紙、箔、墨、胡粉、樹脂膠

今回私はモンスターというよりは怪獣が描きたくて制作していました。私にとって怪獣とは、もともと存在していたものが発見されたものではなく、日々の不思議なことや、怪しい感じが積み重なり、それが主に爬虫類や恐竜的な造形を伴って具現化したものが怪獣なのだと考えています。
日本人は昔から、人知の及ばないものに名前を付け祭ってきてました。そんな日本人の歴史の中にはヤマタノオロチや地震を起こす大鯰など様々な怪しい獣たちが出てきます。これらの日本人の八百万信仰によって形を与えられた怪しい獣たちは善悪の象徴としてではなく、現象の象徴として存在しています。
人間にとって悪であったり、人間とは全く別の領域で存在するものではない。害意を及ぼすことがあっても、必ずしも悪と言いうものではなく、かといって善でもない。人間の生活の延長上に存在している、よくわからない怪しいもの。
そんな、怪獣が描けたらなぁ、と思いながら描いてます。

郷戸 一行 Kazuyuki Godo
1982年 雪国生まれ個展、グループ展多数
縄文時代からの歴史の中で日本人とは何なのかを日々妄想しながら、線を引き絵を描いています。

https://www.instagram.com/kazuyuki510/