張 晨雪

ROSA
デジタルプリント

遺伝子改造工学に対しての思考を表現しようと思う。謎うめいたキメラの少女、バラと溶け合う人類の脳はこの奇妙と危険が同居する未来世界の縮図となっている。現代世界では、遺伝子工学をはじめとする技術が、幸福をもたらす同時に、人類の未来を破壊するのではないかと危惧する思考もある。「人間以下」の奴隷のような存在や、DNAを改編した「優れた」グループが生み出され、旧来の人間たちと闘う可能性があるという。技術の向上だけ重要視してはいけない。未知なる物事に畏敬する心を持ちながら、探索することだと考える。

張 晨雪 Chenxue Zhang
2016年北京電影学院を卒業し、現在京都造形芸術大学修士在学中。
世の中の誰もが抱える心の闇に焦点を当て、様々なサブカルチャーをミックスし、シュルレアリスムの表現方法を用いてイラストレーションを創作している。現代社会のもたらした孤独感や不安な空気など、あらゆる人間の暗い側面を表現し、人型の怪獣のように描く。これで観客を自分の心の奥底を直視させるきっかけを提供しようと思う。