児玉 龍太郎 Ryutaro Kodama

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映画において潜在的に存在する「物語」という怪物。それは、見る者にとって非常に優しくもあり恐怖の対象でもある。この作品は、この超現実的かつフィクショナリーな物語という怪物と戦うことを目的として制作。 物語と”戦う”ということは、「殺す」(=物語らない)ことなのか、また、「手懐ける」 (=物語との和解)ことなのか?

劇映画のカウンターカルチャーとして様々な”映画退治”が行われてきたが、それは、”作り手から観客へ”という片側からのみの問掛けだったのかもしれない。「私(=作り手)も分からない。あなた(=観客)はどう思う?」という間柄を許容してくれる、言い換えると、共に物語という怪物と戦ってくれる関係性を生むことがこの作品の目的である。

映画というメディアの相互関係の可能性を探り、現代の映画における「物語」と「映画」の関係を共に考え直すことを目標とする。

あらすじ:
ヘルパーとして働く田中恭子(26)は、今日も団地住まいの前田よね(74)と平和な時間を過ごす。隣の部屋から謎の男の視線を感じる日常。ある晩、居眠りしていた恭子は異音で目を覚ます。姿の見当たらないよねを追って外へ出た恭子は、山積みになったスクラップの自転車、強烈に揺れる車など、 怪物が遊んだあとのような異様な光景を目撃する。そして、その先にはよねらしき姿も存在する。


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児玉龍太郎 Ryutaro Kodama
1988年東京都生。
青山学院大学社会情報学部にて、コミュニティデザインを専攻。
東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域 修士2年に在学。
現在は、来春に渋谷ユーロスペースにて公開予定の修了制作に向けて長編映画の企画を準備中。

児玉龍太郎
Mail: brutus-green@live.jp