Title：Sly
Material：レジン、アクリル
Size：H335 × W225 × D195 mm
昨今、専門的な研究で植物同士が独自のツールを用いてコミュニケーションを取っているという報告があります。人間同士が繋がる代表的なツールとして「言葉を交す」「文字を読み書きする」等の行為がありますが、植物同士はどんな風にコミュニケーションを取っているのだろうかと考えます。
実際には根の特殊な器官を駆使していたり、葉から発する微量の成分を受け取る事で危険を察知するという事が証明されているようですが、私には理解を超える手法でいまいちイメージが湧いてきません。
そこで彼らが独自に取りあっているコミュニケーションを、ヒトが普段取る表情や感情表現に置き換える事で新たな考え方や価値観を見出せるのではないかと考えました。
彼は、私が好きで自宅で育てている塊根植物と呼ばれる種類の植物です。学名はパキポディウム グラキリス。日光浴が大好きで、夏になると綺麗な黄色の花を咲かせます。
ボテッとしたフォルムが愛おしい彼ですが、原産地であるマダガスカルから環境厳しい日本に連れて（輸入されて）来られて、鉢に植えられて店頭に並んでいます。お店での生活は至れり尽くせりで悪くないですが、自分自身をもっと愛でてくれるヒトの側で暮らしたいなという思いが強く、来店したお客様に選んでもらえるように目一杯アピールをしているのです。
あざとい上目遣いで瞳をウルウルさせて。
彼はきっとこう思っている事でしょう。「こうまでしてるのに僕を持ち帰ってくれないなんてあんまりだよ。。。」と。
彼の前を素通りしていくヒトたちはみんな放置プレイモンスターとして認定されているに違いない。
Artist：YASUHIRO IIDA
2018年から立体造形を中心に制作を開始。
2023年から本格的に展示会等への参加を行う。
冷蔵庫にストックされていたりスーパーに並べられているような、日常生活の中でごくごくありふれている野菜や果物、実際に自室で共生している観葉植物などのボタニカルを題材に、彼らが独自で取りあっているコミュニケーションについて考察。ヒトの表情や感情表現に置き換える事で新たな考え方や価値観を見出せるのではないかと考え、そこからイマジネーションを膨らませ立体に落とし込んでいる。
Web : https://telling-cuckoo-0c1.notion.site/YASUHIRO-IIDA-c503d58deb4b45acb01d1b4486001e94?pvs=4
Instagram :https://www.instagram.com/explore/tags/yasuhiroiida_artwork/