kyokoso

Title：主が悲しまずに生きるために記憶を消すモンスター

Material：紙張りパネル、油性マジック

いつもいるあのこ。
思い返してみると
私は異様といえるほど元気だった
気づいたら記憶に感情を乗せられなくなっていて、
なにも思い出せない
正しくは思い出せるのだけど
感情をうまく乗せられずに
ただ事柄としてあるだけ
未来と現在と過去の時系列を脚色して
遠い昔の記憶にすり替える
かわいいモンスター
でておいで
思い出しても大丈夫だから
悲しいことへの耐性がすこし弱いだけ
今までずっと守っていてくれてありがとう
もう休んでいいよ。
【作品のコンセプト（Web掲載用）】
　主（あるじ）である私が悲しまずに生きて行けるように、
記憶をせっせと消してくれているモンスターちゃんの絵。
いろんなモンスターちゃんがいるけど、
記憶を消してくれていたモンスターちゃんは一匹？だけ。
私が開放宣言したのでびびりながら
そーっと出ようとしているところ。

絵は私の脳内で、
ドジョウにメダカを食べられて悲しかったり、
大好きだった愛猫、
すきだったタピオカやさん、
テーブルの下に、大地があって、宇宙があって、アダムとイブのりんごがごろついて、
来世に託す想いがあったり、
危ないものに襲われないように隔たりをつけてくれたり、
手でおいはらってくれたり、
いろんなとこにドアをおいて常に逃げ道をつくっていたり、
いちごについて話してなごんだり、、
モンスターちゃんがいつも必死で守ってくれていた形跡が残っている。
悲しい記憶に感情をのせられないのは良いとしても、いや、あまり良くないのかもしれないけど。
楽しい記憶までも同様の作用を起こすので困っていた。
すごく助けられたけど、
特に楽しい記憶は保持し、彩りを欠したくなかったから
モンスターちゃんは無期限活動停止という形をとってもらうことにした。
私の中から出してこちらの絵の中へお引越し。
モンスターちゃんが旅立った今、
悲しみへの耐性をもう少しくらいは強くもてるようにがんばらなくてはなのです。

追記
災害、離別、価値観の不一致、、、
悲しみの大きさや種類も違ければ感じ方や受け止め方も様々。
思い出さないようにフタをして、モンスターに記憶を消したり食べてもらうことも時には必要かもしれません。
でも少しずつ大丈夫になったら
せめて楽しい記憶は思い出せるように
フタを少しずらしてあげても良いのかも、
時期は各々の判断で良いと思います。
私は忘れかけていた感情を一度思い出すために
勇気をもってモンスターちゃんを手放すことにしました。
また大変なときは迎えにいくかもしれませんが。

Artist：kyokoso(キョコソ)

アーティスト
イラストレーター
猫愛好家

独学で絵を学ぶ。
白パネルと油性マジック「マッキー」をこよなく愛する。
下書きはせずに感情にまかせて、
白いパネルにマッキーをはべらせるのがすき。
絵にストーリー性を持たせて言葉を乗せたりするのもすき。
絵の中に猫をいれがち。
思考の余白に居場所をみつけられるような、
心の深いぶぶんに寄り添う絵を目指している。
仕事ではイラストを描くことが多い。

・the secret restaurant レシピイラスト
・ヘンリーズバーガーメニューイラスト
・こととや店頭ポスター・HPイラスト
・デロンギ・ジャパン　SNS用イラスト担当
・Hi－NODE　SNS用イラスト　など

・東京メトロ　文化部　詩部門　入賞
・エドロック　アートコンペ2019　展示
・エドロック　アートコンペ2022展示・「一般投票賞」受賞
・木内ギャラリーにてグループ展開催

Web:https://kirakiraboshi22.wixsite.com/kyokoso

Instagram:https://www.instagram.com/kyokoso29