一松


モンスターランチ(Monsterlunch)
剪定枝、実、花芽

 私が子供の頃の楽しみといえば、ウルトラマンシリーズ、ゴジラ映画、仮面ライダーでした。親に買って貰った怪獣図鑑を飽きもせず、怪獣の名前や身長体重、武器や弱点を全て暗記するほど読んでいました。
 また、もう一つの楽しみはたまの外食でした。その時に私が頼むものは、何と言ってもお子様ランチでした。ハンバーグやエビフライ、ウインナーにチキンライス、デザートのプリンまでひとつのお皿に盛られたワクワクする世界でした。
 この作品は、そういった子供の頃の、無邪気にワクワクする心、童心をテーマにしました。7体のモンスターを廃園になった古い幼稚園の椅子に盛り合わせました。
 私がこの作品を創作していた時に感じていたワクワク感を観る人に届けられたらと思います。



一松

 私は都内で植木職人をしております。植木職人の仕事は除草作業、木々を製姿剪定し、掃除をし、庭を美しく見せる事が主な内容です。
 しかし、時として伐採作業や実のなった枝でも剪定しなければならない事もあります。長い年月を経た枝は趣のある姿をしている事も多く、色鮮やかな木の実はそのまま剪定ゴミとして処分してしまうには心苦しさを感じていました。
 そこで私は剪定ゴミを持ち帰り、枝の形や樹皮の趣、木の実の色を活かして作品を制作するようになりました。初めはただ形の面白い置物のような作品でしたが、いつしか、蛇やトカゲの様なものから、何となく海にいそうな見た事もない生き物を作る事に夢中になりました。
 ゴミとして処分される枝も作品となり、形を変えて、再び「命」が宿るのです。