サカシラ
(樹脂粘土、布、針金、アクリルガッシュ)
現代、インターネットやSNSで簡単に情報が手に入る時代です。しかし、簡単に入手できる反面、情報は本当に正しいのか、人の情報に流させていないかを判断しなくて怖いなと思うのです。あるママの情報をそのまま鵜呑みにしたり、ただ受動的に受け入れ、そのまま自分でも発信するのではなく、しっかり自分の目で物事を捉え自分のフィルターを通して考えなくていくことが大切な時代になっているのではないでしょうか。モンスターを作るにあたって、そんな現代社会に潜む問題をモンスターとして具現化しました。
情報や真実をしっかり自分の目で見て判断することなく、耳から入ってくる情報を、そのまま自分の意見のようにしゃべるモンスターです。
深海魚も深海にいることによって目がだんだん退化していったように、真実を自分の目で見なくなった瞳は小さく退化し、反対に情報に敏感になった耳と他人の情報を垂れ流すだけの口は異様に発達して大きくなってしまったそんな人間の進化とも退化とも言えるモンスターを制作しました。名前の「サカシラ」の語源は「賢しら」からきています。利口ぶる、わかったふりをして出過ぎた振舞をするをするけれど、その心はどこか不安げで小心者で憎めない愛らしさも表現しました。
藤田 泰実 Yoshimi Fujita
グラフィックデザイナー/イラストレーター。
2007年 多摩美術大学造形表現学部 卒業
2007年 デザインプロダクション入社
2014年 フリーランス
イラスト制作をしつつ、キャラクターデザインやロゴ、CDジャケットなど幅広いグラフィックを制作。また、路上の園芸や落ちているものを写真で撮影しスライドトークをするユニットプランツウォークのSABOTENSの一人としても活動。
広告制作会社やデザイン会社にデザイナーとして勤務を経て、現在フリーランスとしてIka tokyoとして活動。