リホミサトウ


Intensity of wants 3 (Culture)
紙、マガジン、アクリル、オイルパステル、ペン、プラスチックシート、スプレー

人が人をモンスターと呼ぶのである。
何か行き過ぎたもの、突き詰め過ぎたもの、普通ではないもの。それが起こった時、人は人ではないかもしれない何か動物的な本能的なものに近い、自分の中のモンスターに対面する。
いつも理性が働くわけではない。自分の中の本能に呼ばれ、欲望に面と向かってぶつかる。そしていつも隠しているはずのモンスターの姿が自分の中から現れる。それはモンスターの形をした人なのか、人の形をしたモンスターなのか。私たち人がモンスターを生み出し解き放つのか、モンスターが人を惑わしにどこからかやってくるのか、自分がモンスターであるのかも私たちにはよくわかってはいない。ただそれはいつもそこにいる。
抑圧された欲望は時に爆発するのだ。あれが食べたい、あれがほしい、セックスをしたい、この世に何かを作りたい、ぐっすり寝たい、有名になりたい、美人になりたい、お金が欲しい、羨ましがられたい、頭が良くなりたい、誰よりも優れていたい、何かを破壊したい、貶めたい。
自分の中のモンスターを開け放すのか、コントロールするのか、抑圧して爆発するのを待つか。それはいつも私たちを一緒にいる。 


リホミサトウ
東京出身、ニューヨーク在住。人の生物的でフィジカルな面、例えば人から湧き出てくる本能、突発的な欲望、行動、リアクション、周りの環境に影響された反応、人の動物らしいワイルドな側面、そして自分のアイデンティティと人がつくりだすアートに興味を持つ。そこから湧き出てくる疑問や感情を身の回りによくあるその国の文化や特色、時代を反映するもの、雑誌や新聞、写真、服やプラスチック素材を使い、Mixed MediaやDrawingで消化する。作品は彼女の本能からによる行動や興味、取り巻く環境から実験的に作られ、予測不可能さが人そのものの不規則さを表す。

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