akatin

Dawn-黎明‐
桐塑、日本画材、羊毛
 “モンスター”
これは私のことである。
そしてあなたのことだ。
偶然にもいつもそういう思いを様々な形で抱きながら作品を作ってきました。

私の過去の作品の多くはこれまでも半身半獣であったり、実際のバランスや色、重力から解き放たれた「人間」であり、世に言う“モンスター”です。
何故そうなのか?
それは、私にとってはその姿こそが「リアル」だからです。

何をもって正解というのか、あなたの隣人はあなたが思う通りの人間だろうか?
私は疑いもなく今認識しているこの「ひとがた」なのだろうか?
私の見ている世界と彼の目に映っている世界は本当に同じ形なのだろうか?

何かを感じ、それを人とコミュニケーションする時に人は言葉で一度それを平均化します。
それは共有するために大事な作業ではあるものの、それによって本当は違うのに私たちは「均一化された形」に認識の上で変形されているのではないかと思うのです。

そこで言葉で平均化しないで自分の感じたままの「リアル」を形にしていきました。
すると人に“モンスター”と呼ばれる者たちの姿が現れてきたのです。
だから私にとって“モンスター”とは特異なことではなく「リアル」なのです。

ある時の私は、完璧な作られた美しさに憧れるおばさんの姿であり、それは人工的に作られた「ランチュウ」という金魚の頭をもった中年体型のおばさんとして生まれました。(過去作品1)
また、色々なものが交錯するパワフルな新宿の街とそこに集う人の力を感じた私は、ボディコンで狂おしく踊りまくるイグアナの女を見つけその一瞬を作りました。(過去作品2)
そして、自分の無力感からすべてのものに嫉妬を感じるような苦しい時を飛び越えようとする姿をシマウマの体をもつ男の子の姿にうつしたこともありました。(過去作品3)

今回の作品「Dawn」−黎明−では、唯一無二の命の輝きを持っているのにまだ気が付いていない、でも、もうすぐ気が付いて輝きだすだろう…という男の姿を制作します。

ぽっちゃりとして虹色の体をもち、獅子の頭をした彼はまだその彼の持つ素晴らしさに気が付いていません。
今ここにいる居心地の悪さに立ち方も少し変です。
(これは自分の体感から制作イメージした形なのですが、プールサイドに足の裏をペタっとつけて立つことが気持ち悪くてできません。その際、作品のように足の側面で立ち設置面を減らしています。とても居心地が悪い形です)
でも、そのはじけるような肉体と、美しい虹色は彼だけのものです。力強いたてがみも美しい瞳もそれはかけがえのないものなのです。
今、必死にここに立つ彼は、ここ(この世の中)に立ち続けていたことによって、今、もうすぐ、その尊さに気が付けるのではないでしょうか。
そしてそれが彼の一つの夜の夜明けであり光を放つ瞬間になるのです。

この“モンスター”の中にはそんな瞬間を描いていこうと思っています。



akatin
東京生まれ
東京藝術大学 彫刻科 卒業
2005 芝浦アイランド彫刻コンクール 最終展示作
2007 世界らん展2007 入選
2008 世界らん展2008 審査員特別賞受賞
2009 akatin&voncochinra 2人展“Due Cosumo”を開催 
2010 トーキョーワンダーシード2010 入選 
2012 ART TAIPEI2012 @台北世貿一館 
   個展「また あした」@ギャラリーゆうき
   Asia Hotel Art Fair Hong Kong 2013@香港
2014 “Next Art展”推薦作品に選抜 @朝日新聞厚生文化事業団体
2015 個展「暮色蒼然」 @ギャラリーUG
2016 個展「とく×とく×とく」 @ナナタスギャラリー
   “LUMINE meets ART AWARD 2016”ルミネ賞受賞 @新宿ルミネ2ウィンドウ
   ”the art fair+plus-ultra”@スパイラルガーデン
上記以外にも企画・グループ展などに多数参加してます。
また、「あかころ」という作家名で羊毛フェルトをメインとした作品の制作・発表・販売をしており、国内外のイベントなどにも多く出展しています。
その出展の際、ギャラリーなどにはあまりいらっしゃらない方たちに向けても「akatin」としての立体作品を発表することで展示発表の仕方も模索しています。

Web:ANDROGYNOUS
Instagram @akatin_akacoro