松永 大我

細胞世界
(ケント紙、ボールペン)
制作コンセプト「地球は生き物だ」
阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震…我々は幾度となく震災の恐怖に直面してきた。地震により街は崩壊し、津波は多くの命を呑み込んだ。抗うことのできない自然の猛威は、まさにモンスターだ。
地球が活動している以上、地震はあって然るべき現象で、その結果、生命が失われることさえも自然の成り行きだ。決して故人の死を軽んじているわけではない。天災からは逃れられない。これは残酷でありながらも忘れられがちな事実である。
津波のない世界に海の恩恵はない。
地面のない世界で暮らしは営めない。
地球から自然災害は切り離せないのだ。
地球上で起こる全ての自然現象は、地球が生きている証。そして存在する全ての要素には必ず何かの役割がある。
その一つ一つが細胞となり互いに連鎖し合い、地球という巨大な生き物を構成している。では、人間の役割とは何か…
「過去の出来事を未来に伝えること」だ。
多くの命が失われた悲しみ。自然の力の強大さ、恐ろしさ。地球という生き物と共存していることを忘れないために伝えていかなければならない。
悲しい出来事から目を背けず、対峙し続ける人々の勇姿を未来に受け継いでゆく。震災を形骸化させないために出来ること、それは「伝える」ことだ。
人間は想いを繋ぐ生き物だ。
現代では地震が発生する仕組みは解明されている。自然現象の正体はモンスターではなく、地球という大きな生き物の息吹だったことを知る。
自然は私たちに牙を剥いてなどいない。
自然を恐れるのではなく、抗うでもなく、理解する。
どんなに恐ろしく巨大な怪獣も、私たちと同じ生き物なのだ。
この星に存在する全ての要素は、地球という大きな生き物を構成する細胞組織なのである。



松永 大我 Taiga Matsunaga
大阪生まれ。京都嵯峨芸術大学卒業。第98回二科展イラスト部門 奨励賞など
Web: http://taiga-mtsng.strikingly.com

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