hasaqui yamanobe


The Enemy of Laocoon
(木製パネル、アクリル)
ギリシア神話に登場する神官ラオコーンは2人の息子とともに海蛇によって殺害されました。その海蛇を使わせた神には文献によって諸説あり、主流の説としてはポセイドンであるとされ、さらにアテナ、アポロンとの説もあります。本作ではそれらの文献を考慮にいれ、これまで描かれることのなかった海蛇を使わせたラオコーンの敵の造形に挑んでいます。18世紀ドイツの劇作家・思想家のG.E.レッシングはその著作『ラオコーン』において、ラオコーン群像を巡る考察から詩画比較論を展開します。詩と絵画にはそのメディウムにふさわしい描くべき対象があるとするジャンル論のはしりです。それは後に20世紀のクレメント・グリーンバーグの『さらに新たなラオコーンに向かって』という論考に接続されることとなり、絵画の自律を志向するフォーマリズムの流れの一つの基盤となります。レッシングがその著作のタイトルとして『ラオコーン』を冠したことが大きなインパクトを生んだように、ラオコーン群像は受苦の造形として傑作であり、発見当時にイタリアの彫刻家の注目の的となっただけではなく、今日においても多くの関心を集めていると言えます。一方で神官ラオコーンがなぜ殺されなければならなかったのかという点については、ギリシア神話の諸文献の記述が異なることもあり大きな謎を残したままです。神聖なトロイの木馬に槍を投げたからなのか、牛の生け贄を捧げたことに問題があったのか、神官であるにもかかわらず妻帯し、神殿で妻と交わったからなのか。一体何が誰の怒りにふれてこのようなことになったのか、「ラオコーンの敵」を造形することでその謎に迫りたいと考えました。これまでエル・グレコの作品のようにラオコーンの造形としては多くの作品が残されています。それらを別の目線から捉えることにも繋がるのではないかと考えます。



hasaqui yamanobe

hasaqui yamanobe was born in 1982.And now he live in Tokyo.
hasaqui studied philosophy/aesthetics and art criticism, mainly 18th german thinker G.E.Lessing’s “Laokoon”.
After attending MFA at Tokyo University of the Arts in 2007-2009, he started working at consulting firm as a engineer and consultant. In parallel, from 2016 he started drawing with motif of “Laokoon”(Towards a Newest Laocoon), libidinal economics and corporate strategy.

東京在住。
ラオコーン群像及びレッシングの著作『ラオコオン』に触発され、Towards a Newest Laocoonを志向し作品を制作している。
現在は情動と寛容に係る造形について取り組んでいる。
また2017年4月より、調布市仙川にて週末不定期開廊型ギャラリーであるSchildpatt Galleryをスタートし、自身の作品の発表の場とする他、他作家の展示・紹介にも取り組む。
2009年 東京芸術大学大学院美術研究科修了

展示歴
2017年 第12回タグボートアワード入選者展@IID Gallery
Paratextual LK1@Schildpatt Gallery
https://www.schildpattgallery.com

Web http://www.hasaqui.com/

Twitter(ハッシュタグ#monsterexhibition) で